賃貸経営をはじめるにあたり、基礎を身につけることは必要最低限です。ベースがあることでどんな対応にも応じられる基盤を整えましょう。

賃貸経営の基礎知識

建物を新築する場合、どのような法規制がありますか?

法規制としては「都市計画法」「建築基準法」「東京都安全条例」「消防法」等があります。
[主な規制の項目]
1:敷地
2:道路
3:用途地域
4:容積率
5:建ぺい率
6:高さ
7:日影
8:防火地域・準防火地域
9:特殊建築物
10:構造
11:設備

自己資金はありませんが建替えは可能ですか?

建築地や建物の規模、一戸あたりの広さの制限、抵当権の有無等の諸条件にもよりますが、住宅金融支援機構(旧:住宅金融金庫)をご利用になると最高で対象事業費の100%の融資が可能なのでおすすめします。また、設計の審査、工事中の検査、立会い等を行うので安心していただけると思います。

賃貸住宅を新築する場合、設計と施工を分けた方がいいですか?

設計事務所は、建築主の立場になり建物を設計し、建築主の代理人として工事の監理を行います。したがって施工会社から独立しているので経済的に利害関係を持ちません。それは設計監理料を建築主から報酬としていただくからです。適切な材料、工法、価格での建築が可能です。建築主の手間と労力がかかりますが、納得のできる建物が完成されると思います。

[設計と施工を分けるメリット]
1:設計の質が工事金額で左右されない。
2:入札や見積もりのすり合わせにより、工事費の削減や調節ができる。
3:工事の管理を第三者がすることで、契約内容が保証される。

借地上に建物を所有しています。建替えは可能ですか?

「借地借家法」では、借地権の存続期間満了前に借主が地主の承諾を得て残存期間を超えて存続するような建物を再築すると、借地権は承諾日か再築日のどちらか早い方から20年間存続します。建替えの原因は、まだ使える建物を取り壊して再築するということでもかまいません。

建築工事を行う場合、どの位の期間が必要ですか?

建物の規模にもよりますが、通常1年から2年の期間を要します。主な内容は、計画案の作成→設計→立ち退き交渉→解体→工事→引渡し→入居という工程になります。

マンション購入時の自己資金は、どのくらいの目安ですか?

一般的には、価格の10%~30%程度の資金が必要になります。

古いアパートを所有しています。そろそろ建替えを考えていますが、老朽化による建て替えの見極めポイントは何ですか?

建物の老朽化は築年数だけで決まるものではありません。賃貸アパートという商品としての価値を保られているかも判断材料となります。社会的ニーズに対応しているか、外観と内観(畳やフローリング)はきれいか、流行から外れた間取りになっていないかなどのチェックが必要です。

建替えを行う場合、その土地や環境に合うように、そして経営者にとって高収益に結びつく建物にすることが重要です。また、相続対策を考慮に入れることも重要なポイントです。1つの目安として耐震性能の見地から建築基準法では下記の通りです。

■1981年以前に竣工・・・耐震診断をし、耐震補強をする必要があります。築数年、設備機器の陳腐化等を考慮しての建替えが望ましい。
■1981年以後に竣工・・・経年劣化、部分劣化等が考えられるので耐震診断をおすすめします。

建替えた場合、現在と同じ大きさの建物の建築は可能ですか?

建築基準法の容積率が変更になっている地域では、替えざるを得ない場合もあります。例えば2階建てが4階建てになることも…。専門技術者による敷地調査から、参考プランを作成してもらうことをおすすめします。

建て替えたいのですが、現在返済中のローンはどうすればよいですか?

建替え後の収支計画が、残債と合算して無理がなく返済できる計画であれば、ローンの組みかえの可能性が高くなります。ただし、抵当権設定などが、審査の対象になる場合があります。

建替える場合、現在の入居者への対応はどうすればよいですか?

入居者の立ち退き交渉がスムーズに進むか否かは、建替え全体のスケジュールに大きな影響を与えます。
借家法では、6ヶ月前の解除通告が定められています。また、ある程度の立ち退き費用が必要になることもあります。

エレベーターやガス湯沸かし器の事故や耐震性能の偽装などのオーナーに責任が及ぶ問題が増えているなか、今後の「危機管理」についてどうするべきでしょうか?

危機管理の選択肢の一つとして、管理会社に依頼する「サブリース」があります。サブリースとは、管理会社が賃貸物件を一括して借り上げ、経営の全てを代行する業務です。オーナーは入居者の有無にかかわらず、毎月定額の家賃をお受け取りいただけます。入居者の募集、契約、家賃滞納処理、退室精算等など、すべて管理会社が行います。

サブリースを利用しない状態での満室時と比較すると減収になる事が起こりえますが、空室対策や入居者とのトラブルに巻き込まれる心配がありません。リスクがあることを確認したうえで、管理会社とリスク共有しトラブルのない賃貸経営をおくりましょう。解決方法を一緒に考え、それらに応えられる管理会社を選ぶことが大切です。当社では実績と経験に基づいた様々な解決方法をご提供します。

入居者が退去した後の原状回復や、入居中の修繕などの費用はだれが負担するのでしょうか?

都内に関しては明確な条例があります。賃貸住宅の原状回復などのトラブルを防止するため、平成16年3月31日に東京都が条例(通称「賃貸住宅紛争防止条例」)を可決しました。
この条例は平成16年10月1日より施工されています。退去時の通常損耗等の復旧は、貸主が行うことが基本であること。入居期間中の必要な修繕は、貸主が行うことが基本であることなどが明記されています。

アパート・マンションを経営するにあたって、物件にどんな設備をつけるとよいでしょうか?

賃貸物件にはトレンドがあります。時代のニーズにあった物件になるよう、人気の設備を取り入れましょう。また、警備会社に一括してホームセキュリティを依頼するというのも一つのポイントです。付加価値をつける設備とはまた別の話になりますが、消防法により設置が義務付けられた「火災警報機」、2011年7月よりテレビ放送が地上デジタル方式に移行するに伴い「地デジ受信可能」など、以前は存在しなかった新たな設備も必要になっています。

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