この建物は森の中に建つ小さな別荘で、1階をRCで固めて2階を木造で大きく広くとり、住居スペースの目線が緑の中に溶け込む、自然と一体化した空間が現れます。
私が建築家「吉村順三」に一番に惹かれるのは、建築家としてのエゴが全く感じられず、ディテールにこだわりその積み重ねて、素晴らしい空間を造りこんでいることです。
(工藤)
「建物の純粋さとは何か。それは建築材料を正直につかって、構造に必要なものだけで構成するということである。柱は常に屋根を支える役割をもち、障子の桟(サン)は造形的なパターンであると共にしっかりした構造的な役割をもっている。」(1965年7月号朝日ジャーナルより)
■建築家:吉村順三プロフィール■
・1908年9月7日~1997年4月11日・東京都生まれ
・東京美術学校(現在の東京芸術大学)で建築を学んだのち、チェコ出身のアントニン・レーモンドに師事。1941年に「吉村順三設計事務所」開設し1962年には東京藝術大学教授に就任する。
<主な作品>
・奈良県国立博物館(1972年/奈良県)
・箱根ホテル小涌園(1959年/神奈川県)
・青山タワービル・タワーホール(1969年/東京都)
・八ヶ岳高原音楽堂(1988年/長野県)
・国際文化会館(1955年/東京都/前川國男、板倉準三との共同設計)など